「WordPressの保守費用って、月いくらが普通なんですか」。制作の相談で、公開後の話になると必ず聞かれます。相場のレンジと、その金額で何をしてもらえるのか、逆に自分でやるならどこまでできるのか。この記事では、保守の中身を分解して、金額との対応を整理します。
先に結論:相場は月5,000円から3万円、中身は3層
| 月額の目安 | 含まれることが多い内容 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 5,000〜1万円 | WordPress本体・プラグインの更新、バックアップ、稼働監視、SSLやドメインの期限管理、障害時の一次対応 | 更新は自分でできる。止まらない・消えない・乗っ取られないを任せたい |
| 1万〜2万円 | 上記+文章や画像の差し替え代行(月1〜2件、または1〜2時間)、アクセス解析の月次レポート | 更新を頼みたい。数字も見てほしい |
| 2万〜3万円以上 | 上記+記事や実績ページの制作、改善提案、優先対応 | サイトを育てる工程まで任せたい |
金額を見るときは「自分のサイトはどの層まで必要か」を先に決めると、比較が楽になります。
保守で実際にやっていること
「保守込み」という言葉は便利ですが、中身は会社ごとに違います。契約前に、次の項目が含まれているかを一つずつ確認してください。
1. WordPress本体の更新
WordPressには、セキュリティ修正やバグ修正を含む「マイナー更新」(6.8.1から6.8.2など)と、機能追加を含む「メジャー更新」(6.8から6.9など)があります。マイナー更新は互換性を壊さない設計なので、早く当てるほど安全です。メジャー更新は初版で不具合が出ることがあるため、最初の修正版が出るまで2週間ほど待ってから当てるのが実務では一般的です。
確認したいのは「いつ当てるのか」。放置でも、通知が来たら即押すでもなく、方針が決まっている会社を選んでください。
2. プラグイン・テーマの更新
プラグインの脆弱性は、WordPress本体よりもはるかに多く報告されています。セキュリティ修正を含む更新は数日以内、通常の更新は月1回まとめて、という2段構えが基本です。1年以上更新されていないプラグインは、修正版が出る見込みがないので、差し替えの提案があるかどうかも保守の質を測る材料になります。
3. バックアップ
「取っている」だけでは足りません。何を(ファイルとデータベース両方か)、どこに(サーバー内だけか、外部か)、どれくらいの期間(7日、30日、90日)、そして復元を試したことがあるか。サーバー内にしか保存していないバックアップは、サーバーごと壊れたときに一緒に消えます。
4. 稼働監視
サイトが表示されなくなったとき、誰が最初に気づくか。監視が無い保守では、お客さまからの電話で気づくことになります。5分間隔程度の外形監視があれば、営業時間内なら復旧作業が先に始まります。
5. 脆弱性のキャッチアップ
WordPress.orgの告知、プラグインの脆弱性データベース、JVN(日本の脆弱性情報)などを日常的に見て、自分のサイトに入っているプラグインに該当があるかを確認する作業です。ここを人力で毎日やるのは現実的ではないので、契約サイトの構成を台帳化して自動で照合する仕組みを持っているかが、会社の力量の差になります。
6. 障害時の対応
サイトが落ちた、改ざんされた、フォームが届かない。このとき何営業日以内に着手するのか、復旧はどこまで含むのか(バックアップからの復元まで、侵入経路の特定まで、報告書まで)を契約書で確認してください。
7. 期限管理
SSL証明書、ドメイン、サーバー契約の更新忘れは、サイトが止まる原因として今も上位です。期限を台帳で管理してリマインドしてくれるかどうかは、地味ですが効きます。
「自分でやる」はどこまでできるか
正直に言えば、1〜4は自分でもできます。
- WordPress本体のマイナー更新は自動更新を有効にすれば当たります
- プラグイン更新は管理画面のボタン1つです。ただし、当てる前にバックアップを取る習慣と、崩れたときに戻せる手段が必要です
- バックアップはサーバー会社の自動バックアップ機能か、バックアッププラグインで取れます。外部保存先の設定と、復元の練習を一度やっておくと安心です
- 稼働監視は無料の監視サービスで5分間隔の確認ができます
自分でやる場合の本当のコストは、作業時間ではなく「気づく力」です。脆弱性の情報を追い続けること、更新で崩れたときに原因を切り分けること、サーバー会社からの通知を読んで対応が必要か判断すること。ここに時間を使えるなら自分でやる価値はありますし、使えないなら月5,000円で外に出すほうが安い、という判断になります。
費用を見るときの3つの注意
1. 「保守込み」の範囲を書面で
含まれる作業、含まれない作業、対応時間、着手までの期限。この4つが書かれていない「保守込み」は、どちらかが我慢する契約になります。特に「更新作業が含まれるか」は認識がずれやすい部分です。
2. 解約時に持ち出せるか
月額制の制作サービスでは、解約するとサイトのデータやドメインを持ち出せない契約があります。保守契約でも、管理者権限やサーバーの契約名義が制作会社側になっていると同じことが起きます。名義はお客さま、権限は共有、が原則です。
3. 更新代行の単位
「月2時間まで」と「月2件まで」では中身が違います。時間制は1件が大きいと1回で使い切り、件数制は小さな依頼が多いと足りなくなります。自分の更新の頻度と大きさに合う単位を選んでください。
当社の保守プラン
合同会社リベリオンでは、この記事で書いた項目を「いつ・何を・どこまで」まで決めた保守プランを用意しています。
- ベーシック 月額5,000円: 更新、バックアップ、監視、期限管理、脆弱性対応(セキュリティ修正は検知から3営業日以内)、障害の一次対応
- スタンダード 月額9,000円: 上記に加えて、更新で崩れる原因を本番の複製で先に直してから当てる(更新が止まらない)、セキュリティ修正は1営業日以内、軽微な更新代行 月1件、Search ConsoleとGA4の月次レポート
- プレミアム 月額30,000円〜: 更新代行 月5時間、SEO記事または実績ページの制作 月1本、優先対応
いずれも税別、3か月単位の契約で、解約時のデータ・ドメイン・サーバーはすべてお客さまのものです。更新方針や脆弱性の対応期限の一覧はホームページ保守プランのページに載せています。他社で制作したサイトも、受け入れ診断のうえでお受けしています。
まとめ
- 保守費用の相場は月5,000円から3万円。5,000円台は「守る」、1万円台は「動かす」、2万円以上は「伸ばす」が加わる
- 「保守込み」は中身を7項目(本体更新、プラグイン更新、バックアップ、監視、脆弱性対応、障害対応、期限管理)で確認する
- 自分でやるなら、作業よりも「気づく力」にコストがかかる
- 契約前に、範囲の書面化、解約時の持ち出し、更新代行の単位を確認する
この記事は2026年9月時点の当社調べにもとづいています。相場は制作会社の規模や地域で変わります。
