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お名前.com デスクトップクラウドの不正アクセス(ハッキング)とは|FX口座の不正取引、補償・見舞金、利用者が今すぐやること、ドメインへの影響

2026年10月に起きた「お名前.com デスクトップクラウド」への不正アクセスについて、経緯、FX口座の不正取引、見舞金5,000円と損失補償、サービス再開と代替サービス、利用者が今すぐやること、お名前.comのドメインやレンタルサーバーへの影響を、GMOの公式発表をもとにまとめました。

最終更新:2026年10月25日 00:35(初回公開:10月25日 00:35)
GMOインターネットの第5報(10月24日)と、10月24日13時40分からの「お名前.com 全サービス」の緊急メンテナンスまでを反映しています。

2026年10月、GMOインターネットのFX自動売買向けVPS「お名前.com デスクトップクラウド」が第三者の不正アクセスを受けました。サーバー内の情報が外に持ち出され、利用者の証券・FX口座で身に覚えのない取引が起きています。サービスは10月21日から全プランで止まったままです。

この記事は、デスクトップクラウドを使っている方と、お名前.comでドメインやレンタルサーバーを契約していて「自分のサイトは大丈夫か」が気になっている方に向けて書いています。内容は2026年10月25日0時30分時点で、GMOの公式発表と報道を確認したものです。状況は変わっていくので、最後は必ず公式のお知らせを見てください。

先に結論:デスクトップクラウドの利用者は、別の端末からパスワード変更とセッション切断を

  • 対象は「お名前.com デスクトップクラウド」の全プラン。影響の可能性があるサーバーは26,739件です
  • サーバー内に保存していた取引口座のログイン情報などが持ち出されたことを、GMOが認めています
  • 利用者は、デスクトップクラウドで使っていなかった端末(スマートフォンや別のPC)から、取引口座と取引ツールのパスワードを変え、ログイン中のセッションをすべて切ってください。パスワード変更済みの方も、セッション切断は必要です
  • 利用者全員に見舞金5,000円が支払われます。不正取引で実際に出た損失は、GMOが補償する方針です。案内のメールは見舞金と代替サービスが10月30日まで、損失補償の申請方法が11月6日までに届く予定です
  • 今の基盤では再開せず、別の基盤の代替サービスを6か月無料で提供すると発表されています
  • 公式発表では、対象はデスクトップクラウドだけです。お名前.comのドメイン・レンタルサーバー・メールが侵入されたという発表はありません。ただし10月24日13時40分から、全サービスの申し込み関連の手続きで緊急メンテナンスが続いています

お名前.com デスクトップクラウドとは

データセンターにある仮想のWindowsデスクトップを、インターネット経由で操作できるVPSです。主な用途はFXの自動売買で、MetaTrader 4・MetaTrader 5(MT4/MT5)などの取引ツールを入れて、自宅のPCを付けっぱなしにせず24時間動かせます。ITmediaの記事によると、月額2,640円からで、累計の契約は20万件を超えています。

自動売買を動かすには、取引ツールに取引口座のIDとパスワードを保存しておく必要があります。今回はそのサーバーに侵入されたため、口座のログイン情報がまとめて狙われる形になりました。

何が起きたか:10月19日からの経緯

GMOの発表をもとに、日付順に並べます。

  • 10月19日:利用者からの問い合わせで調査を始める
  • 10月20日:一部のサーバーに、第三者が不正なプログラムを置いていたことを確認。新規申し込みとコントロールパネルを停止
  • 10月21日 4:00:全プランのサーバーを順に停止。第1報を掲載。この時点では「閲覧された情報が悪用された事実は確認されていない」としていた
  • 10月21日以降:利用者から、取引口座で身に覚えのない操作があったという報告が届き始める
  • 10月22日:警察に相談。16時59分に第2報を掲載し、取引口座のログイン情報が取得され、不正に使われた可能性があると発表
  • 10月23日 16:10:第3報。パスワード変更とセッション切断を至急行うよう、あらためて依頼
  • 10月24日:第4報で、情報が外部に持ち出されたことを確認したと発表。見舞金、損失の補償、代替サービスの6か月無料提供を公表。攻撃者から脅迫を受けていることも明らかにした。続く第5報では、自分の端末のウイルススキャンとバックアップをあらためて依頼
  • 10月24日 13:40:お名前.com 全サービスで、申し込み関連の手続きの緊急メンテナンスを開始。終了日時は未定

何が漏れた可能性があるのか

GMOが影響の可能性があるとしているのは「サーバー内に保存されていた情報」です。取引ツールに保存した取引口座のログイン情報が中心ですが、利用者が自分でサーバーに置いたものは全部が対象になります。サーバー上のブラウザに保存したIDやパスワード、メモ帳に書いた認証情報なども含まれると考えてください。

クレジットカードなどの決済情報は、このサービスのサーバー上には置いていないと説明されています。

第4報によると、攻撃者からの脅迫は次の3つです。

  • 国内外の70社を超える証券会社・FX会社で、利用者の取引口座に不正な注文を出し続け、口座の残高を減らす
  • デスクトップクラウドと、そこに接続した利用者のPCの情報を公開する、ランサム攻撃を行う
  • GMOのシステムや運用体制の情報を公開する

GMOは要求には応じない方針で、証拠を警察に出して捜査を依頼しています。主な取引所・証券各社には、デスクトップクラウドからのアクセスの遮断や、全セッションの強制切断も頼んでいます。

被害額はGMOからはまだ出ていません。Xには「55万円なくなった」「600万円の損失」といった投稿が出ていると報じられていますが、利用者が自分で書いたもので、確定した金額ではありません。

侵入経路と原因は、10月25日0時30分の時点で公表されていません。GMOはセキュリティ専門会社と調査中で、第4報では「本サービスのシステムにセキュリティ上の問題が存在し」たと認めています。

デスクトップクラウドの利用者が今すぐやること

GMOの第2〜5報で依頼されている内容を、やる順に並べました。

  1. デスクトップクラウドで使っていない端末を用意する。スマートフォンか、FXに使っていない別のPCです。この後の作業はすべてこの端末で行います
  2. 取引口座と取引ツール(MT4/MT5など)のパスワードを変える。複数の証券会社・FX会社を使っている場合は全部です
  3. ログイン中のセッションをすべて切る。パスワードを変えても、会社によっては古い接続がしばらく残り、第三者が取引を続けられる場合があります。マイページで切れない場合は、各社の窓口に全セッションの切断を頼んでください
  4. 取引履歴と残高を確認する。身に覚えのない取引があれば、まず取引先の会社に連絡します
  5. 二段階認証(多要素認証)を設定する。取引先の会社が用意していれば、すべて有効にしてください
  6. サーバーに置いていたほかのパスワードも変える。サーバー上のブラウザに保存していたもの、同じパスワードを使い回しているサービスも対象です
  7. 自分のPCとスマートフォンをウイルス対策ソフトでフルスキャンし、データのバックアップを取る。GMOは、利用者の端末への影響も含めて調べていて、予防のための対応だと説明しています

デスクトップクラウドへの接続に使っていたPCでは、リモートデスクトップ接続にパスワードを保存していた場合、その保存も消しておくと安心です。サービスが止まっているので、接続先のパスワードはもう使いません。

補償と見舞金はいつ、どうやって受け取れるか

見舞金5,000円

デスクトップクラウドを今契約しているすべての利用者に、被害の有無に関係なく一律5,000円が支払われます。損失の補償とは別枠です。受け取り方と支払い時期は、10月30日(金)23:59までに登録メールアドレスへ連絡が来ることになっています。

不正取引による損失の補償

不正アクセスが原因で、本人の意思によらない取引が行われ、口座に実際に出た損失が対象です。取引の差損と手数料が含まれます。相場の変動による損失、得られたはずの利益、そのほかの間接的な損害は対象外です。

流れは次のとおりです。

  • 取引の日時・内容・損失額が分かる資料を出す。本人確認書類や、MT4/MT5の閲覧専用パスワード(投資家パスワード)の提示を求められる場合がある
  • 取引所や証券会社に、不正アクセスによる取引だと説明し、取り消しや返金を相談する
  • 取引所などから返金があれば、その分を引いた残りをGMOが払う。返金がなかった場合も、対象と認められた損失はGMOが払う

申請方法、必要書類、受付期間、支払い時期は、11月6日(金)までに公式サイトとメールで案内されます。

今のうちに、身に覚えのない取引の日時と内容が分かる画面のスクリーンショットや、取引履歴のファイルを保存しておくと、申請のときに困りません。

GMOは、補償の手続きでパスワード(閲覧専用パスワードを除く)や暗証番号を聞くことはないとしています。補償を理由にパスワードを聞いてくる連絡は詐欺です。

サービスはいつ再開するか、解約はどうなるか

GMOは、不正アクセスを受けた今の基盤をそのまま再開しないと決めました。続けてWindowsのデスクトップ環境を使いたい利用者には、別のクラウド基盤で動いている代替サービスへの乗り換えを案内し、乗り換え後6か月は無料になります。

本人の同意なしに代替サービスへ移されることはありません。次の内容は、10月30日(金)23:59までにメールで知らされます。

  • 代替サービスの開始時期と申し込み方法
  • 今のサービスとの違い、移行の注意点、無料の範囲、7か月目以降の料金
  • 乗り換えない人の契約と利用料金の扱い

自動売買をほかのVPSで再開する場合は、変更後の新しいパスワードで設定し直してください。前の環境で使っていたパスワードは、漏れている前提で扱います。

お名前.comのドメイン・レンタルサーバー・メールは大丈夫か

第1報から第5報まで、対象は「お名前.com デスクトップクラウド(全プラン)」と書かれています。お名前.comのドメイン、レンタルサーバー、メールなどが侵入されたという発表は、10月25日0時30分の時点ではありません。

当社でも、お名前.comのレンタルサーバーやDNSを使っているお客様のサイトがあります。10月25日0時台にサイトの表示、DNSの応答、メールの向き先を確認し、どれも普段どおりでした。

一方で、10月24日13時40分から「お名前.com全サービスにおけるお申込み関連のお手続き全般」で緊急メンテナンスが行われていて、終了日時は未定です。期間中は何度か瞬断する可能性があり、手続きが完了しなかったらメンテナンス後にやり直すよう案内されています。理由は書かれていません。ドメインの更新期限が近い方は、手続きが通ったかを管理画面(お名前.com Navi)で確かめてください。

デスクトップクラウドを使っていない方が急いでやることはありません。念のためにやるなら、次の2つです。

  • お名前.com Naviのパスワードを、ほかのサービスで使っていないものにする
  • お名前.comを名乗るメールのリンクからログインしない。管理画面にはブックマークか公式サイトから入る

便乗の詐欺メール・脅迫メールに注意

この種の事件の後は、事件に便乗した詐欺が増えます。GMOも次のように注意を呼びかけています。

  • GMOがメールや電話でパスワード、クレジットカード情報、口座情報を聞くことはない
  • 補償や返金をうたう連絡、不審なウェブサイトに注意する
  • 攻撃者を名乗る人物からメールやメッセージが来ても、URLや添付ファイルを開かず、返信もしない
  • 攻撃者がGMOや利用者の情報と称するものを公開する可能性があり、事実と違う内容が含まれるおそれがある

正式なお知らせは、お名前.comのお知らせページとGMOインターネットのニュースページに出ます。相談窓口はお名前.comの問い合わせフォームと電話03-5456-2560(土日・祝日を含め24時間)です。

よくある質問

デスクトップクラウドは使っていないが、お名前.comでドメインを持っている。何かする必要はある?

急いでやることはありません。公式発表の対象はデスクトップクラウドだけです。お名前.comを名乗るメールのリンクからログインしないことと、ドメインの更新手続きが緊急メンテナンスで止まっていないかを確かめることだけ気にしてください。

見舞金の5,000円はいつもらえる?

受け取り方と支払い時期は、10月30日23:59までに登録メールアドレスに届く連絡で案内されます。被害がなくても、今契約しているすべての利用者が対象です。

FXの損失は全額補償される?

不正取引で実際に出た損失(差損と手数料)が対象です。相場の変動による損失や、得られたはずの利益は対象外です。取引所などから返金があった場合は、その分を引いた残りが支払われます。申請方法は11月6日までに案内されます。

デスクトップクラウドはいつ再開する?

今の基盤での再開はしないと発表されています。代わりに別基盤の代替サービスが用意され、乗り換えると6か月無料です。開始時期は10月30日までにメールで知らされます。

解約や返金はできる?

乗り換えを希望しない場合の契約と利用料金の扱いは、10月30日までにメールで案内されます。10月25日0時30分の時点では公表されていません。

侵入経路や原因は分かっている?

まだ公表されていません。GMOはセキュリティ専門会社と調べていて、システムにセキュリティ上の問題があったことは認めています。

自分のPCもウイルスに感染している?

GMOは利用者の端末への影響も含めて調査中で、予防としてウイルス対策ソフトでのフルスキャンとバックアップを頼んでいます。攻撃者は「接続した利用者のPCの情報」を公開すると脅しているので、デスクトップクラウドに接続していたPCは特にスキャンしてください。

犯人を名乗るメールが届いた

開かず、返信もしないでください。URLや添付ファイルも開かないでください。届いたこと自体はGMOの窓口に相談できます。

当社の見方

今回の被害が大きくなったのは、口座のログイン情報が保存されたサーバーが数万台規模でまとまっていたからです。ホームページでも、サーバーやWordPressの管理画面には、問い合わせ内容や顧客情報、ほかのサービスのAPIキーが入っていることがよくあります。

当社が保守しているサイトでは、脆弱性情報の照合、改ざんの検知、ログイン試行の監視を毎日回しています。10月22日には、PHPの脆弱性「PHP2Shell」の修正版を保守先のVPSに当日中に当てました。そのときの対応はPHP2Shellの記事に書いています。保守の中身はホームページのセキュリティ対策(KAGIS)とホームページ保守プランにまとめています。

参考にした一次情報